MRPひとロメモ: 2009年2月アーカイブ

MRPひとロメモ-1

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ある工場長の話です。「MRPを導入したが、ちっともロットは小さくならないし、リードタイムも短くならない。どうしたものだろうか?」。 MRPさえ導入すれば、なにもかもうまくいくと思っていたのでしょう。従来とあまり変わらない現場を見て思わず相談に来たのです。これは大変な誤解です。 MRPはロットをしだいに小さくし、リードタイムを自然と縮める魔法の杖ではありません。あくまでコンピュータを使ったMRPという情報管理システムなのです。現場の意識を変え、管理レベルを向上し、より大きな効果を得るためには、企業体質を変えるための改善活動も並行して行う必要があります。まさに情報管理システムと現場システムは車の両輪のようなものなのです。

MRPひとロメモ-2

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映画のセリフに「明日の事は?」「そんな先の事は分らない」というのがありました。このようなとき製造現場では担当者が経験を生かし、鋭いカンを働かせて仕事を進めてしまいます。これは普通、"思惑"とか"サバ"と言われ、工場の各部署でさかんに行なわれています。このため工場は"サバの大漁"となり、過大な在庫を抱えることになるわけです。"サバの生き腐り"を無くすには、誰にも分かる"明日の計画=MRP"が必要なのです。

MRPひとロメモ-3

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"シングル段取"という言葉を最近よく聞きます。これは、"生産の流れ化"を実現する時に必ずぶつかるテーマなのです。「流れるようにものをつくりたい」といった要望の中での大きな障壁は、段取替えの時間が大きいことです。この時間を数分でできるようにしなければ、どうしても、「まとめてつくろう!」という気になります。段取改善に似たようなことを、歴史の中に見つけることができます。それは、織田・徳川の連合軍と武田軍とによる長篠の戦いです。このとき、連合軍を勝利に導いたものが鉄砲です。従来、玉込めなどの段取に時間のかかる鉄砲は、実践向きではなかったのです。しかし織田信長はその扱い方を一律にして、誰もが使えるようにし、かつ実戦では玉込時間を実質的にゼロにするために鉄砲隊を横3列に並べ順番に打たせました。つまり、標準化とゼロ段取を実践したのです。鉄砲が弓や刀に代わり、強力な武器として認められました。鉄砲のおかげで織田・徳川の連合軍が大勝利をおさめたことはいうまでもありません。このことでもわかるように、現場改善のちょっとした糸口は、ひょっとしたら歴史が教えてくれるかもしれません。

MRPひとロメモ-4

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現場へ導入されたMRPシステムが、まったく使われていないケースをよく見かけます。システムは管理者のためだけではなくて、現場の人たちにも役立つものでなければなりません。そうでなければ、開発者が現場を説得したり、現場はそれを納得して受入れることができません。実によくできたもので、説得とは"得を説く"と書くし、納得とは"得を納める"と書きます。

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