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後工程引き取り

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一般に「引っ張り生産」とか「引き取り生産」と呼ばれ、後工程が、必要な物を、必要な時に、必要なだけ、前工程から引き取るやり方である。前工程は引き取られた分だけ補充して生産する。

いわゆるスーパーマーケットの仕入れの仕組みと同様で、顧客の要求量に応じて生産するので、造り過ぎのムダが生じない。その手順としては、

①顧客の要求をもとに生産計画を立てる
②最終工程に生産計画を指示
③最終工程は必要な分だけ前工程より引き取り生産
④前工程は引き取られた分を補充
⑤後工程から前工程へ次々に生産指示が進行していく

ちなみにこの前工程・後工程間のやりとりの際、作業指示および管理の道具となるのが「かんばん」である。

関連用語: 引っ張り生産

押し込み生産

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生産計画をもとに、各工程展開をして作業計画をつくり、これに基づいて生産する方式。JITによる引っ張り生産とは逆の意。情報先行型の生産は、計画どおりに加工し、次の工程へ運ぶ"前工程押し出し"方式となる。これを押し込み生産という。
"必要な物を、必要な時に、必要なだけ生産する"という考えは一見JITと共通しているように見えるが、計画の一部に変更があると全体を見直さなければならないし、そのうえ情報が先行するため、変化に弱く、どうしても在庫を認めることになる。
手順は、次のとおり。

①顧客の要求をもとに生産計画を立てる
②各工程・外注業者・購入業者ごとの生産計画を立てる
③工程別生産計画を製造部門に配布
④現場に作業指示
⑤他の工程に関係なく生産
⑥作業済品を後工程の要求に関係なく押し込む

関連用語: 引っ張り生産引き取り生産

一般に「納入かんばん」という。組立ラインのように数多くの部品をラインへ引き取る場合に用いる。とくに、外注メーカーからの引き取り部品を扱うことが多いのでこう呼ばれる。引き取りかんばんの一形態。(図13)

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図13 外注部品納入かんばんの例

かんばん

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JIT生産方式の機能の1つであり、ジャストインタイムを実現し維持するための道具として位置づけられる。一方そのシステムの特異さから「かんばん」だけが独り歩きし、JIT生産方式の代名詞ととらえられがちだが、これはあくまで俗称である。
「かんばん」は、物品目を表示する看板的機能と、その生産情報つまり作業指示を行う伝票的機能とをあわせもつ。よって置場表示である"漢字"の「看板」と区別し、"ひらがな"で表記する。従来の生産情報システムとしてはMRP、統計的在庫管理手法の発注点方式が上げられるが、いずれも安定需要下における予測法であり、情報だけが先行する傾向が見られる。もちろん情報源は"顧客の要求"であるが、工程・業者別に生産計画を立てるため、実際には各々の作業進度が異なり、滞留在庫や欠品等が発生する。また通常、前工程優先の「押し込み生産」の形をとり、たとえ需要変動があっても、一旦作成された生産計画によって造られた仕掛りは"ムダ"となって残る。
これに対し、かんばんでは後工程が"必要な物を、必要な時に、必要なだけ"前工程から引き取る「引っ張り生産」を原則とする。"顧客の要求"をもとにした生産計画によりまず最終工程が作業する。その造った分(引き取りかんばん)を前工程に"引き取り"情報として伝える。前工程は引き取られた分(仕掛けかんばん)だけ補充生産する。つまり後工程の作業進度により生産するため、常に生産計画=実績情報であり、"情報の流れ"と実際の"物の流れ"が一致することになる。
その各工程・業者間における情報交換の道具が「かんばん」で、必ず物についてまわる。いい換えれば「かんばん無しでは物を造れない・運べない」仕組みとなる。品目・数量・作業指示等が明記され、物の流れに沿って存在する。また「かんばんの在る所に"仕掛り"在り」といわれ、かんばん枚数はすなわち仕掛りの量であり、生産の現状を知り現場改革をする手がかりともなり「目で見る管理」としても有効である。
そしてかんばん1枚のロット数および枚数を最少限にし、発行・回収を細分化することが、計画変更に対応しJIT生産を維持する決め手となる。
ルールとしては、①後工程引き取り、②引き取り分前工程生産、③100%良品、④生産の平準化、⑤現物表示、⑥改革ニーズ発見の道具、の6つにまとめられる。
ちなみにかんばんはプレート形である必要はなく、箱、台車、等さまざまな形で応用できる。(図20)

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図20 組立と加工でのかんばん運用例

関連用語: 後工程はお客様

ひらがなで表記する"かんばん"は造り過ぎのムダをなくしJITの引っ張り生産を実現するための道具として位置づけられる。大きくは"引き取りかんばん"と"仕掛けかんばん"に分けられ、外注や異なるライン等、工程間の作業指示、連絡には必ず、現物と一緒に移動する。
狭義には、工程内で作業を仕掛けるために用いるかんばんを意味し、一般にはこの仕掛けかんばんをかんばんと呼ぶ。専用ラインもしくは、汎用ラインで切り替え時間のほとんどない工程への作業指示に用いる。(図21)

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図21 かんばんの種類

かんばんポスト

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かんばんは物の内容を示す名札であると同時に、作業進行を知らせる情報札でもある。この情報札を回収したり、項目別に整理・整頓して一時的にストックするための道具をかんばんポストという。
たとえば、引き取った分だけかんばんが外される。これらを準備ポストに回収。かんばんが定数になったら注文書を発行。注文済のかんばんを発注済ポストにストックする。業者は納品書とかんばんを交換し現物につけて指定場所に納入する。
外注業者や購入業者にまでかんばんを強いることができない場合、ポストはその代理店の役割を果たす。

かんばん枚数

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必要最少限のかんばんの数。多すぎるとかえって在庫のムダが生じる。枚数は平準化生産を前提として求められる。

かんばん枚数=日当たり数量×(リードタイム+安全日数)/パレット収容数

日当たり数量=月産数量/稼働日数

リードタイム=生産リードタイム(加工時間+停滞時間+運搬時間)+かんばん回収リードタイム

安全日数…ゼロもしくはなるべく少なく
パレット収容数…収容数はなるべく少なくし、かつ納入回数を増やす

かんばんはJITを守る道具であるから、かんばん管理はムダ取りが前提。大ロット生産に導入してもそれは混乱を招くだけとなる。かんばんの使い方には次の6つのルールがある。

①後工程引き取り
後工程が必要となった物を前工程に引き取りにいく。→引き取りかんばん
②引き取り分前工程生産
後工程が引き取った分だけ生産する。→仕掛けかんばん
③100%良品
工程内で品質をつくり込む、不良を出さない仕組みを取り入れる。→品質保証
④生産の平準化
生産のバラツキをなくし、安定した生産を維持するために、徹底した"品種"と"量"の平均化を図る。→平準化生産
⑤現物表示
必ず現物と一緒に動く。→目で見る管理
⑥改革ニーズ発見の道具

かんばんの枚数を減らすと、欠品やラインストップ等が起こる。問題を顕在化し、真因の改革につなげる。

通称、「引き取りかんばん」。場内工程間で部品を引き取る際に用いられる。工程と工程の連絡かんばんといえる。
単一部品用から、組立順に複数部品を並べる「序列引き取りかんばん」があって、形も内容物に応じて、プレート式のほか、箱や台車を使うこともある。

仕掛けかんばん

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工程の作業指示をする場合に用いられる。いい換えれば、この仕掛けかんばんが掲示されてはじめて作業が始まる。
後工程が引き取った分だけ、仕掛けかんばんが外される。この際後工程はストアにある部品の仕掛けかんばんをポストに入れ引き取りかんばんに差し替える。次にかんばんを回収し、それを作業場に掲示する。このかんばんで作業指示がなされ、部品が完成したら、かんばんをつけて指定場所に補充する。必要な分だけ造るので造り過ぎのムダは生じない。(図62)


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図62 仕掛けかんばん

ただし有効に活用するためには、次のことに注意すべきである。

①外れたかんばんの順に、外れた分だけ物を造る
②物とかんばんはたえず一緒について回る
③かんばんなしでは造ることはしない

関連用語: 引き取りかんばん

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