製造計画と工程管理: 2009年2月アーカイブ

工程検査

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Inspection between Processes

製造過程で行われる検査のことで、ある工程から次の工程へ移る際に行う内作品の検査をいう。これは、不良品が次の工程に流れて損失を生じることを防ぐための目的で行われる。


関連用語: 検査

ロット分割

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Lot Splitting

1ロット(通常は、オーダーが指示する製造数)を何回かに分けて製造することをいう。
これは次のような場合に発生する。

●機械故障などにより、指示された製造数の一部を製作した状態のままで作業が中断した時。
●資材が1ロット分揃わず、とりあえず必要に迫られている分だけ先送りして製造する時。
このようなロット分割に従い、オーダーをも分割して作業指示することを、オーダー分割という。

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関連用語: オーダー分割進度管理

ライン配置

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Line Layout 

フローショップ 設備の編成形式の1つで、フローショップとも呼ばれる。詳細は、フローショップを参照。


関連用語: 工程

ライン

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Line

設備の編成形式の1つで、各機械設備における仕事(ジョブ)の作業時間が同じ場合、その流れを1つとして編成した工程もしくはショップをいう。これは、ジョブの流れが一定で、たえず繰返し生産が行われ、かつ生産量が多い場合に有効である。ショップ内の流れの管理はほとんど必要なくなるが、製品の多様化への対応は難しくなる。また、投入サイクルタイムと各作業時間は一致し、ジョブの投入順序がそのまま完成順序となる。

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関連用語: 工程

予防保全

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Preventive Maintenance PM

"設備の予防医学"といわれる。すなわち、人間の病気予防と同じで、故障の発生する前に予備品の交換を行い、故障を防ぐ方法である。まず、日常保全(清掃、給油、小修正など)を行って設備の劣化を遅らせるとともに、運転ミスをなくす努力や訓練が必要である。さらに、定期点検を実施して劣化の傾向を把握し、部品や工具の修理、交換や予備品の整備を計画的に行わなければならない。事故が発生してから修理する事後保全に比べて、一般に経済的である。予防保全は、保全費と劣化損失との和を最小にすることで、経済性の向上が図られる。

mrp_182.jpg予防保全(PM:Preventive Maintenance)は、1951年(昭和26年)にアメリカから導入され、現在では生産保全(PM:Productive Maintenance)へと進展している。


関連用語: 設備保全


山積

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Loading 負荷山積

"やまづみ"と読み、MRPにて計画された各品目を、工程展開し、各工程単位に負荷を積むことをいい、普通、負荷山積という。詳細は負荷山積を参照。


関連用語: 能力所要量計画

山崩

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負荷調整

"やまくずし"と読み、負荷山積された負荷を平準化するために、調整することをいい、普通、負荷調整と呼ばれる。詳細は負荷調整を参照。


関連用語: 能力所要量計画負荷山積

保全予防

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Maintenance Prevention MP

設備は、故障しない設備が望ましい。また、故障した場合には、速やかに修理できることが望ましい。これらの要件に対し、設備を計画する段階から考慮し、信頼性の高い、保全性のすぐれた設備の設計、製作、設置を行う方法を保全予防という。改良保全から発展した保全の方法である。


関連用語: 設備保全

前工程

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ものをつくる順序(工順)を意識した場合に使われる工程の呼び名の1つであり、連続した2つの工程において順序が先の工程を前工程という。また、次の工程は一般に後工程という。


関連用語: 工程
反意語: 後工程

保全品目

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Items for Maintenance

生産設備の保全用部品のことである。なお、生産設備を製品として販売している製造企業にとって、この部品はサービス部品扱いとなる。


関連用語: 品目

分割オーダー

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Split Order

オーダー分割によって発生した新しいオーダーをいう。分割オーダーは、元のオーダーとは別オーダーとして、通常のオーダーと同様に扱うが、分割されたという実績を把握するために、旧オーダーのオーダー番号が識別できるよう、オーダーの項目内容としてもつ。


関連用語: オーダー

フローショップ

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Flow Shop ライン配置

設備の編成形式の1つで、ライン配置とも呼ばれ、すべての仕事(ジョブ)の加工経路が同じ場合、この流れに合わせて編成した工程もしくはショップをいう。これは、ジョブの流れが決まっており、繰返し生産が行われ、かつ生産量も比較的多い場合に有効である。ジョブとしての流れの管理はしやすくなるが、製品の多様化への対応は難しくなる。また、各機械設備での作業時間が異なることがある。この場合各作業のピッチタイムをとり、ラインバランシングを行い、流れ作業化を実現することが必要となる。

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関連用語: 工程

負荷山積

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Loading 山積

負荷とは、作業量のことで、各品目を製造するために必要な工程に作業量を割り振ることを負荷山積という。
負荷山積は、単に山積とも略され、製造計画の能力所要量計画(CRP:Capacity Requirements Planning)の中に位置付けられる。これはMRPにおいて計画された各品目を受け、これを製造するための工程にまず展開する。このことは一般に工程展開といわれる。次に展開された工程に負荷の山積を行う。山積は通常、時間で積まれ、段取時間と実作業時間がその対象となる。実作業時間は、製造ロットの単位で設定されている場合と、品目1単位当たりの実作業時間で設定されている場合がある。前者はそのままの時間を負荷として積むが、後者は製造数と実作業時間を掛けて、製造単位当たりの実作業時間を算出して山積を行う。
また、算出された負荷を積む対象期間の決め方には、最早開始日と最遅開始日の方法がある。このどちらかの基準日を選択して山積することにより、工程別、期間別に負荷を積むことができる。


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関連用語: 能力所要量計画


負荷

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Load

ある一定期間に工程に課せられた作業量であり、その内訳は、各作業オーダーの作業量である。これは一般に"時間"で表わされる。工程の能力に対して、負荷が多いことを過負荷といい、負荷が少ないことを過少負荷という。


関連用語: 負荷山積山積

負荷調整

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山崩

工程単位に積まれた期間別の負荷を平準化するために調整することで、通称、山崩(やまくずし)ともいわれている。これは製造計画の能力所要量計画(CRP:Capacity Requirements Planning)の中に位置付けられ、工程展開、負荷山積の後に続く機能である。

mrp_166.jpg負荷調整は、最早開始日、最遅開始日の期間範囲内で行われ、図のような期間ごとの負荷率と各期間の負荷を累積した累積負荷率とにより、負荷調整が可能か否か、負荷状況を判断して山崩を行う。負荷調整が不可能な時は、能力の増強として外注や代替工程を考えるか、もしくはオーダー納期の調整が考慮される。


関連用語: 能力所要量計画負荷山積


標準能力

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Standard Capacity

通常、工程ででき得る能力をいう。一般に"時間"で表わされる。標準能力は、工程における機械の能力(機械能力)や人の能力(人的能力)に従って設定される。機械能力は、工程に設置されている機械の台数と、機械の1日当たりの標準稼働時間とを掛け合わせて求めることができる。また、人的能力は、工程の作業員と、作業員の1日当たりの標準作業時間とを掛け合わせて求められる。
状況に応じて、機械の能力か人の能力かのどちらかが制約となるが、この制約となる工程能力が標準能力として設定される。たとえば、機械設備や金型などの数に限りがある場合、機械能力が制約となり、標準能力として設定されることが多い。また、組立工程のような一般に手作業が主体となる工程や、熟練工を要する工程などでは、通常、人的能力が制約となり、これが標準能力として設定される。


関連用語: 能力所要量計画

能力調整

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負荷の山積、山崩が行われ、負荷の平準化がなされた後に、負荷調整だけでは、作業を消化することができない負荷について、工程能力の調整を行うことである。能力の調整は、標準能力、最大能力それに能力と負荷の累積を見ながら、期間別の能力を設定する。能力を充実するには、残業やシフトそれに要員補充、外注などが考慮される。

mrp_156.jpg関連用語: 能力所要量計画負荷調整


能力所要量計画

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Capacity Requirements Planning CRP

資材計画(MRPや部品展開)で計画された製造オーダーは、通常、製造部を総括管理している管理課とか管理担当係に提出され、まず能力と負荷の検討が行われる。この製造オーダーは、資材計画で、生産日程を基に部品表を使って得た品目単位のオーダーである。したがって、この段階では、工程という概念はまだない。しかし、実際にものをつくるには、いくつかの工程を経てつくられる。能力所要量計画とは、製造オーダーを基に、各工程に対する負荷を把握し、調整を行って、工程単位の作業を計画することをいう。

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能力所要量計画をより現実に合ったものにするには、現状を反映した能力設定が必要となる。この計画では、次の3つの能力を使用する。

標準能力:通常工程ででき得る能力。標準能力は普通、工程単位に設定する。この時、朝礼や休憩などの余裕時間や出勤率が考慮される。また、能力を日別に登録する場合もある。
●最大能力:工程で最大限に発揮し得る能力。最大能力の設定には2つの方法がある。1つは実績値を基に設定する方法であり、他の1つは過負荷の許容度として設定するやり方である。
設定能力:標準、最大の能力と負荷の関連で設定した能力。設定時には、残業、シフトそれに人員の移動による増減などを考慮する。
能力所要量計画は、大きく次の4つの機能に分けられる。
工程展開:MRPでの計画は品目レベルのものである。実際の作業指示は、各工程に対して行うため、この品目レベルの計画を工程レベルに分解しなければならない。この工程に分解する機能が工程展開である。
負荷山積(山積):工程展開でづくられたオーダーは作業オーダーと呼ばれる。この作業オーダーには工程展開時に算出した作業時間が登録されている。この作業時間を負荷として当該工程の負荷を期間別に算出する。この機能が負荷山積である。
負荷調整 (山崩):負荷調整は、最早開始日(部材が揃い、最も早く作業が開始可能な期日)と最遅開始日(納期割れを起こさない最も遅い期日)の範囲で行う。
能力調整:負荷調整だけでは解决できない場合、残業、シレト、応援などの能力調整を考慮する。
これら一連の機能と計画担当者の判断で能力所要量計画は行われる。この計画にてつくられた作業オーダーは、作業指示計画へと引き継がれる。


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能力

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Capacity

ある一定期間内に、工程において生産可能な作業量のことで、通常"時間"で表わされる。
能力には、次のようなものがある。
標準能力:通常工程ででき得る能力。
最大能力:工程で最大限に発揮し得る能力。
設定能力:標準、最大の能力と負荷の関連で設定した能力。
能力の制約条件としては、台数の限られた機械や設備、それに金型などがある。また、特殊な技能をもつ要員や外注もこれに含まれる。能力が、"生産可能な作業量"であるのに対し、"課せられた作業量"を負荷といい、同じく時間で表現される。
生産計画にて立案された製品やサービスパーツなどの生産日程は、通常、生産能力計画(RCP:Rough-cut Capacity Planning)により、ボトルネックとなる重要工程の能力/負荷の検討が行われ、実現可能な生産日程に調整されてMRPに入力される。この時、参照される工程マスターには、標準能力、最大能力などが登録されている。また、MRP実行後には、各工程単位での能力所要量計画(CRP:Capacity Requirements Planning)が行われる。


関連用語: 能力所要量計画生産能力計画
反意語: 負荷
Dispatching 差立

製造現場においてなされる作業計画、作業指示、作業統制の工程管理を指す。これには、作業割付から作業完了まで、一貫した作業表が使われ、これを図のような管理盤に差立てることから、"差立(さしたて)"ともいう。ディスパッチングは、納期管理能力管理を適切に行うことで、稼働率の向上を目的としている。このため、オーダの納期の確認、手持の在庫、仕掛の引当、作業者と設備機械の稼働状況をタイムリーに把握し、作業予定を立てる。

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関連用語: オーダー発行


定位置検査

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検査場所により分類される検査の1つの方法で、一定の場所に位置を定めて行う検査のことをいう。これは、品目を1ヵ所に集めて検査した方が経済的な場合、試験のための特殊な設備が必要な場合、および検査時間が長い場合の時、などに用いられる。


関連用語: 検査

代替工程

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ある工程で通常行われる作業が、他の工程でも同じ作業が行える場合、その代行可能な工程を代替工程という。ある工程で過負荷が生じた場合に、他の工程を代替工程として使用するといったケースが多い。また、代替可能な工程が外注業者の時には、その外注業者も代替工程として扱う。代替工程の情報としては、代替工程番号のほかに、その工程を使用した場合の作業時間などが設定される。


関連用語: 工程

設備保全

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設備の劣化によって発生する故障、停止、性能低下の原因を取り除き、修復する活動をいう。
設備保全においては、次の3点を考慮する必要がある。
●いかに故障が起きないようにするか、いかに劣化を防止するかといった信頼性の向上を図る。
●点検・修理をしやすくし、故障時の修復作業の徹底を図るなど、保全性を向上させる。
●保全費や劣化損失などの保全のための費用が最小となるよう、経済性の向上を図る。

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設備保全には図に示す5つの方式があり、時代とともにその形態も移り変わっている。1951年に予防保全がアメリカから導入される以前は事後保全の時代であったが、1950年代には予防保全から改良保全、保全予防へと発展し、1960年代には、これらを統合した生産保全の時代へと進展した。

設定能力

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標準、最大の能力と負荷の関連で設定した能力をいい、通常"時間"で表わされる。工程の標準能力に対して、負荷が大きかったり小さかったりする場合、計画担当者は負荷の調整を行うことによって負荷の平準化を図り、標準能力の範囲で作業をこなそうとする。しかし、負荷の調整ができなかった場合には、能力の調整を行い、標準能力を超えた能力を用意しなければならない。能力の調整には、作業員の増減や残業などの方法がある。負荷の調整あるいは能力の調整を行った後に設定される能力を、設定能力という。


関連用語: 能力調整能力所要量計画

製造オーダー

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Manufacturing Order

品目を製造する際に必要となるオーダーである。自社内で製造する品目については内作オーダーといい、外注業者で製造する品目については外注オーダーという。製造オーダーは、製造指図書として手配される。

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関連用語: オーダー


生産保全

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Productive Maintenance PM(生産保全)

予防保全から発展したもので、今では改良保全や保全予防をも含み、トータルな意味での生産の経済性を高めるための保全をいう。設備管理コストの低減と生産性向上を比較するだけでなく、両者を総合的に実施しようとするやり方である。現在、この生産保全はさらに進展し、全員参加による生産保全(TPM:Total Productive Maintenance)という小集団活動をベースにした自主保全へと移ってきている。


関連用語: 設備保全
Slack Time Factor

作業スケジューリングにおいて、作業の順序付けを行う場合に使用される係数である。オーダーのもつ余裕日数を計算し、余裕の少ないオーダーから作業を行うという考え方から生まれた方法であり、スラックタイム係数は、この余裕を反映した係数であり、次の式で表わされる。

スラックタイム係数=製造オーダー納期-現在日-残存作業総日数/残存作業総数


関連用語: 作業順序計画残存作業総日数

進度管理

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Follow-up Control

発行済となったオーダーの進捗状況の把握や、遅延オーダーに対する督促などを行い、製造活動の統制を行うことをいう。各工程からの実績報告を基に、進捗状況を把握し、常に最新の状態が通知できるようでなければならない。また、異常が発生した作業オーダーは、即刻通知されることが必要である。とくに、受注生産や個別生産の形態ではこの進度管理が重要となる。

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ジョブフロー

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Job Flow  GTショップ

設備の編成形式の1つで、GTショップとも呼ばれる。詳細はGTショップを参照。


関連用語: 工程

ジョブショップ

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Job Shop、機能別配置

設備の編成形式の1つで、機能別配置とも呼ばれ、同種の機能や性能をもつ機械設備をグルーピングして編成した工程またはショップをいう。これは、同種の機械設備をまとめることから、機能や単一作業の管理はしやすくなる反面、製品や組立品それに部品を製造する経路に類似したものが少なくなり、各々の仕事(ジョブ)の単位で製造リードタイムも変わり、ジョブ全体の管理が難しくなる。

 
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関連用語: 工程

初工程

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First Process

品目をつくる工程順序においての最初の工程をいう。図の例では、工程1がボルト製作の初工程となる。これに対して最後の工程を最終工程という。


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関連用語: 工程

重要工程

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Bottleneck Process

一般に、製品は工場内の数多くの工程を経てつくられる。しかし、能力計画などを行う際には、これらすべての工程について行っていたのでは、大変な時間と費用がかかってしまう。重要工程とは、重点的に計画と統制を必要とする製品製造過程でのボトルネック工程をいい、台数の限られた機械設備、金型、それに特殊な技能を必要とする工程などがこれに当たる。このような工程をあらかじめ重要工程として設定し、この工程を重点的に管理することで、すべての工程を一律に行うよりも効果的な管理が可能となる。


関連用語: 工程

事後保全

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Breakdown Maintenance BM

設備保全として最も早くから行われた保全方法の1つで、故障が発生してから対処を行う保全のことである。この場合には、すみやかに故障を見つけ、修理し、その故障原因をつきとめ、同じ故障が二度と発生しないようにすることが大切である。故障が発生してから修理した方が経済的な場合には、この方法が適用される。


関連用語: 設備保全

仕掛

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Work in Process

親品目を製造するために、その構成品が工程に存在している状態を仕掛(しかかり)といい、仕掛在庫として扱われる。場内で製造するものであれば、出庫品は場内仕掛として把握され、また、外注に支給した支給品も外注仕掛として把握される。

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残存作業総日数

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Total Days of Operations Remaining

製造オーダーが完了するまでに必要とする各工程の作業時間を日数に換算した値で、作業の余裕率をみるスラックタイム係数の算出に用いられる。


関連用語: スラックタイム係数

作業順序計画

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Operation Sequencing

作業指示計画で確定となったオーダーについて、工程単位の作業順序を計画することをいう。作業の進捗度を把握し、作業の優先度や段取時間などを考慮して、作業順序表を作成する。

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差立

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Dispatching ディスパッチング

"さしたて"と読み、工程における作業の最適な順序を決定し、作業員に指示することで、ディスパッチングともいう。工程に到着した作業オーダーは、すべてが同一の優先度ではない。遅らせてもよいものや、緊急で先に作業しなければならないオーダーが含まれている。これらを判別して最適な順序を決め、指示を与え、統制することが、差立の主な機能となる。ディスパッチングを参照。


関連用語: オーダー発行

作業指示計画

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Operation Order Release Planning

能力所要量計画にて、作業オーダーによる負荷や能力を検討した結果、自工場でやるべき作業の計画を行う。 工程ごとに、次のようなことを検討する。
●すでに指示済の作業オーダーに遅れはないか。
●遅れがあるとすれば、どの程度の影響か。
●今回の作業オーダーの開始日をいつにするか。
●部材は予定通り引当されているか。
●欠品は何で、どの程度の影響なのか。
●部材の出庫指示はいつにするか。
●図面や治工具の手配はどうか。
●作業オーダーの納期は大丈夫か。
これらが決定、確認された確定オーダーは、作業順序計画へと引き継がれる。

作業オーダー

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Operation Order

製造品目を自社内において製造するのに必要な工程の単位に分けたオーダーである。これは、製造オーダーを工程展開してつくられる。

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関連用語: オーダー


最遅開始日

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Latest Start Date

製造オーダーの納期を基準に設定された、作業オーダーの最も遅い着手日であり、これ以上遅いと納期割れを起こす着手日である。

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関連用語: 負荷調整
反意語: 最早開始日


最大能力

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Maximum Capacity

工程で最大限に発揮し得る能力をいい、通常、"時間"で表わされる。1日何時間までは残業が可能であるといった許容残業時間により設定する場合と、標準能力の何パーセント増しといった過負荷の許容度により設定する場合とがある。


関連用語: 能力能力調整
反意語: 標準能力

最早開始日

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Earliest Start Date

製造オーダーの予定開始日を基準に設定された作業オーダーの最も早く着手できる日をいう。資材や設備や作業員がそろっていて、作業を開始できる最も早い日に当たる。

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関連用語: 負荷調整
反意語: 最遅開始日


最終工程

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Final Process

品目をつくる工程順序においての最後の工程をいう。図の例では、工程3がボルト製作の最終工程に当たる。これに対して、最初の工程を初工程という。

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関連用語: 工程
反意語: 初工程


最終検査

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Final Inspection

製造過程における検査の1つで、製造工程の最終段階で行う検査を指す。これは、完成品が製品としての要求事項を満足しているか否かの判別がなされ、顧客に対する信用の低下や各種の問題、損失を未然に防ぐために行われる。製造過程には、そのほかに、受入検査や工程検査があるが、これらは購入原材料や加工部品、組立品など構成品を対象とした検査で完成品の検査ではない。最終検査では顧客の要求も含め製品全体を検査する。


関連用語: 検査

工程能力

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Process Capacity

それぞれの工程における作業者および機械の生産能力をいい、通常、"時間"で表わされる。作業者の工程能力を人的能力、機械の工程能力を機械能力という。 人的能力は、

人的能力=実働時間×出勤率×直接作業率×換算人員

すなわち、実働時間の中で実際に直接作業を行う時間(直接作業時間)を、普通の技能をもった作業者の能力に換算して求められる。機械能力は、

機械能力=運転時間×稼働率×機械台数

で求められる。


関連用語: 能力能力調整

工程展開

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MRPで計画されたオーダーは、生産計画を基に部品表を使って得た品目単位のオーダー(何を、いつまでに、いくつ)である。ここまでは、工程という概念はまだ存在しない。しかし、実際にものをつくるには、いくつかの工程を経てつくられる。工順(表)を参照して、製造オーダーを工程単位にばらし、工程単位の作業オーダーをつくることを工程展開という。 工程展開を行うことにより、品目をつくるために必要な工程とその順番および各工程における作業時間などが決定される。工程展開は、製造工程管理の中で最初に行われる機能であり、ここでつくられた作業オーダーを基に山積や山崩が行われる。

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関連用語: 能力所要量計画生産能力計画


工程間運搬時間

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Interoperation Transport Time

移動時間ともいわれ、前工程が完了してから次の工程に運搬され、到着するまでに要する時間である。これは、機械の配置によっては、ほとんど無視できる場合もあるが、一般的には、運搬の不備により仕掛を停滞させたり、破損等の不良をつくったり、直接工の生産性の低下の原因を招いたりもする。このため、運搬距離を最短にし、運搬量を一定にして、かつ運搬作業の機械化、自動化を図ることが要求される。この時間の中には、運搬時間のほかに運搬待ち時間も含まれる。

関連用語: 製造リードタイム

工程

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Process,Routings

同じような機能や能力をもっている機械設備や人の集まりを指す。一般に作業指示の対象となり、これを受けて職長や差立係の判断で、その作業を、誰がどの機械設備で行うかを割付ける。
工程の種類には、大別して、加工、検査、運搬、停滞の4つがある。
加工:切削や組立、分解などが含まれる。
検査:良品、不良品の判定を行う工程で、一般に量と質の検査がある。
運搬:工程間の移動をいい、人による場合と、コンベアなど機械による場合とがある。
停滞:保管や工程待ちなどの仕掛状態をいう。
また、工程の編成には、ジョブショップ(機能別配置)、GTショップ(ジョブフロー)、フローショップ(製品別配置)、ラインがあり、工程の呼び名としては、前工程、後工程、重要工程、代替工程、初工程、最終工程などがある。生産管理の情報システム面において"工程"といった場合、加工や検査など現場の工程に固有な情報をまとめたマスターを指す。工程のデータ内容には、工程番号、工程名称、標準能力、最大能力などがある。

組立品

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Assemblies

品目を生産過程(組立、加工など)別に捉えた時の呼び方であり、製品や部品などにつけられる名称である。また、組立作業の状況をより詳細に管理するため、組立品に到る前段階に半組立品という状態の品目設定をする場合もある。


関連用語: 半組立品

機能別配置

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ジョブショップ

設備の編成形式の1つで、ジョブショップとも呼ばれる。詳細はジョブショップを参照。


関連用語: 工程

加工品

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Manufactured Goods

品目を作業形態(組立など)別に捉えた時の呼び方であり、主に、素材を加工した後の部品を指すことが多い。一般に生産のための作業は加工、組立の順に行われている。


関連用語: 組立品

改良保全

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Corrective Maintenance CM

設備保全の1つで、保全性を重視した設備自体の体質改善をいう。これには、設備の寿命を延ばすための設計改善と、点検・修理を短時間で行えるための設備改善とがある。つまり、故障分析により今後、保全の手間がかからないようにすることをネライとした改善方式である。この改善により、改善費より保全費や劣化損失費の減少の方が大きい時には、この方法がとられる。


関連用語: 設備保全

オーダー発行

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Order Release

作業計画で作成された作業順序表に基づいて、実際の作業現場に対して、作業指示を行う。このことをオーダー発行といい、一般に図のような製造指図書(報告票)により指示を行う。

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オーダー分割

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Order Splitting

作業の都合上、ロット分割に従いオーダーを分けて作業指示することをいう。詳細はロット分割を参照。


関連用語: ロット分割

後工程

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ものをつくる順序(工順)を意識した場合に使われる工程の呼び名であり、連続した2つの工程において、順序が後の工程を、もう1つの工程に対して後工程という。

関連用語: 工程
反意語: 前工程

PM(生産保全)

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Productive Maintenance 生産保全

Productive Maintenanceの略で、生産保全と呼ばれている設備保全の一種である。詳細は生産保全を参照。


関連用語: 設備保全

PM(予防保全)

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Preventive Maintenance 予防保全

Preventive Maintenanceの略で、予防保全と呼ばれている設備保全の一種である。詳細は予防保全を参照。

関連用語: 設備保全

MP

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Maintenance Prevention 保全予防

Maintenance Preventionの略で、保全予防と呼ばれている設備保全の一種である。これは、設備を計画する段階から、信頼性の高い、保全性のすぐれた設備の設計、製作、設置を行う方法である。詳細は保全予防を参照。


関連用語: 設備保全

GTショップ

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GT Shop ジョブフロー

GTショップとは、工程の編成形式の1つで、ジョブフローとも呼ばれ、仕事の流れを分析し、類似の仕事をグルーピングし、その流れに合わせて編成した工程もしくはショップをいう。これは、仕事(ジョブ)のグループの生産が繰返し行われ、かつ生産量もある程度まとまる必要がある。ジョブとしての流れの管理はしやすくなるが、同種の機能をもつ機械設備は分散される。また、機械設備での各ジョブの作業時間が異なるため、投入順序がそのまま、完了順序とはなり得ない。

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関連用語: 工程

CRP

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Capacity Requirements Planning 能力所要量計画

Capacity Requirements Planningの略で、普通、能力所要量計画といわれている。これは、MRPで計画された各品目を工程に展開し、各工程に負荷山積して、能力とのバランスを調整する機能である。一般に、能力所要量計画を行うには、MRPで計画された製造オーダー、作業する工程の順序を示した工順と工程内容を記録した工程マスターを使用する。詳細は、能力所要量計画を参照。

CM

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Corrective Maintenance 改良保全

Corrective Maintenanceの略で、改良保全と呼ばれている設備保全の一種である。詳細は改良保全を参照。


関連用語: 設備保全

BM

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Breakdown Maintenance 事後保全

Breakdown Maintenanceの略で、事後保全と呼ばれている設備保全の一種である。詳細は事後保全を参照。


関連用語: 設備保全

リードタイム

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Lead Time 手番先行日数

オーダーを発行してから作業がなされ、そのオーダーが完了するまでの期間をいい、先行日数とか手番などともいわれる。通常、日数で表現される。
一般に次のようなものがある。
●ペーパーリードタイム 
●購買リードタイム
●製造リードタイム   
●外注リードタイム
リードタイムは部品表に登録するが、この時、部品表の品目に設定するか、製品構成にもたせるかによって、その意味合いはかなり違ってくる。ほとんどの製造業では、上位品目をつくる時点ですべての下位品目が、そろっていると仮定して、資材計画が行われる。この場合は図1で示すように、リードタイムは各品目に設定される。
また、船舶などの大型製品や特殊な製品を扱う製造企業、それに、製造や組立のリードタイムが非常に長い場合などは、図2で示すように、品目と品目の関連を示す製品構成にリードタイムを設定する。このようにすることで、部材の在庫期間が短縮でき、製造や組立の計画をより細かく行うことが可能となる。しかし、このような考慮は、一般の製造業では、ほとんど払わなくてよい。リードタイムの長さからいって、それほど神経質になる必要もないし、あまり長いリードタイムの場合は、図3で示すように、中間に管理品目を設定するのが普通である。
このようにして設定されたリードタイムを用いて、オーダーの予定開始日を算出する。

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関連用語: リードタイム計算


オーダー

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Order 手配

製品、組立品、部品など、それぞれの品目をつくったり、買ったりする場合、その品目、納期、業者または製造係などで固有に識別できるように設定した指示や手配を示す。通常、オーダーには識別コードとしてオーダー番号がつけられ、製造品目であれば製造指示書、購入品目であれば注文書として手配される。
オーダーの種類は、各品目の手配内容によって図1に示すように分けられる。
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● 製造オーダー:製造品目に必要なオーダーで、自社内で製造する内作オーダーと外注業者で製造する外注オーダーとに分けられる。なお、内作オーダーは、製造工程単位に展開されて作業オーダーとなる。
● 購買オーダー:購入品目に必要なオーダーで、品目、納期、所要量のほかに業者に関する情報や単価、納入情報などを付して手配される。
● 外注オーダー:外注オーダーには、あらかじめ品目単位で外注として設定されているものと、製造計画後に能力などの関係で、外注として決まるものがある。普通、前者は品目外注といい、後者は工程外注という。いずれにしても、通常の手配情報のほかに業者情報が付加されて手配される。
● 作業オーダー:製造オーダーのうち内作オーダーを、必要な工程の単位に分けたオーダーである。
また、生産管理の各機能から捉えると、扱うオーダーは図2のように分けることができる。

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関連用語: オーダー状況




検査

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Inspection

製造過程において、個々の品目の良品、不良品またはロットの合格、不合格の判断を下すことであり、取扱い品目ごとに各種の方法を用いて測定した結果と判断基準とにより良否を決める。製造過程で行われる検査は、図に示すように大別すると4つある。

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品目

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Item、P/M

製品、組立品、部品、原材料などの"もの"自体を指す。しかし、一般に品目と呼ぶ場合は、I/M(Item Master)とかP/M(Parts Master)とも呼ばれ、部品表を表現するために必要なマスターデータの1つを指すことが多い。この場合、生産活動に必要な"もの(アイテム)"で一意に決まる情報を1つにまとめ、品目番号で参照可能にしたデータを品目という。 品目に含まれる項目には、品目番号、品目名称、ロットサイズ、リードタイムなどがある。

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関連用語: 技術データ部品表


内作品

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Manufactured Items

購買、外注など品目を手配の形態別に捉えた時の呼び方であり、製品、組立品、部品のいずれを問わず自社の工場で生産される品目を指す。これは、内製品などとも呼ばれ、この品目についてMRPで計画されたオーダーを内作オーダーとか製造オーダーなどと呼ぶ。


関連用語: 購買品外注品
Manufacturing Lead Time

製品、組立品、部品などを、それぞれ一段下位の品目から製造するために、製造オーダーが発行されてから完成するまでの期間をいう。その構成要素は、品目を製造するために必要な各工程での時間、つまり工程リードタイムと各工程間の運搬時間である。これは、MRPの中で内作品についてのリードタイム計算に用いられる。

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関連用語: リードタイム

Process Lead Time

工程において作業に着手し、その作業が完了するまでの時間をいい、一般的には、待ち時間、段取時間、実作業時間、後処理時間より構成される。
●待ち時間:作業が機械に割付けられるのを待っている時間。
●段取時間:機械が稼働できる状態にするための準備時間であり、オーダーの数量に関係なく発生する。
●実作業時間:実際に、その工程で作業を行う時間のことであり、オーダーの数量にほぼ比例して増大する。なお、実作業時間を求める計算式は、品目をある単位量製造する時に必要な単位時間とオーダー数量との関係で表わされる。

実作業時間=(製造)オーダー数量/単位製造数量×単位作業時間

●後処理時間:作業の後処理(取りはずし、そうじなど)に必要な時間である。これは、次の作業の段取時間として捉える場合もある。

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関連用語: 製造リードタイム

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